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広島と岡山 平和交流脈々 旧柵原町民、原田さんの被爆体験聞く

 岡山県の旧柵原町(現美咲町)の町民20人が31日、広島市中区の平和記念公園を訪れ、旧交のある元原爆資料館長の原田浩さん(76)=安佐南区=から被爆体験を聞いた。

 一行は国立広島原爆死没者追悼平和祈念館で、広島駅で被爆した原田さんの証言に耳を傾けた。美咲町の人口1万6千人の9倍に上る14万人が原爆で1945年末までに亡くなったことや、火の手に迫られて倒れた人を何人も踏んで逃げた悲惨な体験を聞き、熱心にメモを取った。原爆資料館も見学した。

 旧柵原町は、99年の講演に原田さんを招いたのをきっかけに交流を開始。2005年に合併するまで、広島県被団協や広島市のトップを派遣してもらうなどして被爆の実態を学んだ。一行の代表禾本(のぎもと)万里子さん(64)は「被爆者が減る中、貴重で胸に迫る話だった。地元に帰って伝えたい」と話していた。(堀晋也)

(2015年11月1日朝刊掲載)

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