ナガサキの惨状追体験 パグウォッシュ会議
15年11月2日
被爆地長崎市で1日開幕した「パグウォッシュ会議」の世界大会は、2005年の広島市以来10年ぶりの日本開催となった。各国の科学者や政府高官らはこの日、被爆の惨状を追体験。核兵器と戦争のない世界の実現への決意を新たに、討議に臨んだ。
参加者は長崎原爆資料館で、爆心地から約2・2キロで被爆した山脇佳朗さん(81)=長崎市=の英語による証言を聴いた。スクリーンに被爆直後の街並みの写真を映し、原爆で亡くなった父親を荼毘(だび)に付した記憶が語られると、目頭を拭う姿もあった。「科学者の意志で核兵器廃絶の道を切り開き、長崎を最後の被爆地に」との山脇さんの訴えに、参加者は立ち上がって拍手。「心に響いた。核兵器は二度と使われてはいけない」「廃絶のため急いで行動しなければ」などと感想を述べた。
資料館では犠牲者の遺品などを見学し、長崎原爆死没者追悼平和祈念館も訪問。代表者が平和公園の平和祈念像に献花した。
この日は、会議が1995年に受けたノーベル平和賞のメダルのレプリカと証書の広島、長崎両市への寄託式も資料館であった。会議のジャヤンタ・ダナパラ会長が「核軍縮へ長年努力してきた被爆者に最大の敬意を表したい」とあいさつ。長崎市の田上富久市長らとともに受け取った広島市平和推進課の末定勝実・被爆体験継承担当課長は「核兵器廃絶へ取り組む会議について市民に広く知ってもらうため、近く原爆資料館で展示する」と話した。(水川恭輔)
(2015年11月2日朝刊掲載)
参加者は長崎原爆資料館で、爆心地から約2・2キロで被爆した山脇佳朗さん(81)=長崎市=の英語による証言を聴いた。スクリーンに被爆直後の街並みの写真を映し、原爆で亡くなった父親を荼毘(だび)に付した記憶が語られると、目頭を拭う姿もあった。「科学者の意志で核兵器廃絶の道を切り開き、長崎を最後の被爆地に」との山脇さんの訴えに、参加者は立ち上がって拍手。「心に響いた。核兵器は二度と使われてはいけない」「廃絶のため急いで行動しなければ」などと感想を述べた。
資料館では犠牲者の遺品などを見学し、長崎原爆死没者追悼平和祈念館も訪問。代表者が平和公園の平和祈念像に献花した。
この日は、会議が1995年に受けたノーベル平和賞のメダルのレプリカと証書の広島、長崎両市への寄託式も資料館であった。会議のジャヤンタ・ダナパラ会長が「核軍縮へ長年努力してきた被爆者に最大の敬意を表したい」とあいさつ。長崎市の田上富久市長らとともに受け取った広島市平和推進課の末定勝実・被爆体験継承担当課長は「核兵器廃絶へ取り組む会議について市民に広く知ってもらうため、近く原爆資料館で展示する」と話した。(水川恭輔)
(2015年11月2日朝刊掲載)