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学徒動員 母校で体験談 広島の岡本さん 宍道小(松江)に冊子贈る

 広島市安佐南区山本の岡本栄一さん(83)が、戦後70年を機に学徒動員などの体験をまとめた冊子を母校の宍道小(松江市宍道町)に贈り、初めて同校で体験を語った。

 岡本さんは1945年春、松江市内の工業学校に進学したものの、すぐに学徒動員で出雲市へ。木材を山の上に運ぶ日々が続いた。作業中に栄養失調になったり、頭上を飛ぶ米軍の戦闘機グラマンにおびえたりした。

 記憶が確かなうちに、戦時体験を若い世代に伝えようとつづった小冊子はA4判、10ページ。10月に500部を作成し、広島市内の小学校などに寄贈した。

 宍道小であった平和学習で、岡本さんは6年生49人を前に冊子を紹介。当時を振り返り「命を奪い合う戦争にノーと言える勇気を持って」と呼び掛けた。

 山木伸一郎君(12)は「みんなにつらい思いをさせないよう責任を持って行動し、平和な世の中をつくりたい」と話していた。(西村萌)

(2015年11月2日朝刊掲載)

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