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南アジア核リスク 議論 パグウォッシュ会議2日目

 長崎市で開かれている科学者の国際組織「パグウォッシュ会議」の世界大会2日目の2日、ともに核兵器を持って対立するインドとパキスタンを踏まえ、議題に「南アジアの核リスク」を取り上げた。パキスタン軍の元幹部が核抑止力を必要と主張したのに対し、核軍縮を求める参加者が相次いで反論した。

 討議の一部を報道陣に公開した。パキスタン軍のハリド・キドワイ元中将が登壇。政治的な対話による対立解消を重要だとした一方、「通常兵器で差があれば、核兵器を持たざるをえない。バランスにより平和が維持される」との現状認識を示した。

 これに対し会場から「核兵器を持った後も紛争が絶えない」「核軍縮こそ地域の安定につながる」などと疑問の声が上がった。

 この日は、核軍縮に向けて会議が果たすべき役割も議論。その後、各参加者の地域や専門を踏まえて「核兵器の非人道的影響」「科学者の社会的責任」など八つの作業部会に分かれ、非公開で意見交換した。各部会は4日もあり、最終日の5日に全体討議で概要を報告する。(水川恭輔)

(2015年11月3日朝刊掲載)

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