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原爆資料館 発掘に着手 広島市 敷地にフェンス設置

 広島市は2日、平和記念公園(中区)の原爆資料館本館の敷地で、大規模な発掘調査に着手した。1955年の開館以来初の調査で、来年3月まで。来年度の耐震補強工事を前に、原爆で壊滅した戦前の街並みの被爆遺構などを調べ、記録する。

 この日は、市の委託業者が本館周辺を高さ約1・8メートルのフェンスで囲い、立ち入り禁止にした。今後、本館直下の敷石やコンクリートを剝がし、計約2200平方メートルを深さ約1・5メートルまで発掘。今月中旬以降、市文化財団が調査を進める。

 本館周辺の旧中島地区は原爆投下前、民家や商店などが立ち並ぶ繁華街だった。市が昨年3月とことし5月にした試掘では、被爆時の瓦や陶製の瓶などが見つかっている。

 市平和推進課は「来場者に不便を強いるが、遺構が出る可能性が高く、必要な調査。立ち入り禁止は徐々に解除するので、ご協力いただきたい」としている。(和多正憲)

(2015年11月3日朝刊掲載)

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