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イラン副大統領 講演 パグウォッシュ会議4日目 対話で解決 重要性訴え

 長崎市で開かれている科学者の国際組織「パグウォッシュ会議」の世界大会は4日、中東の平和構築を討議した。イランのアリ・アクバル・サレヒ副大統領兼原子力庁長官が、7月に実現した核問題をめぐる欧米など6カ国との最終合意について報告し、対話による解決の重要性を訴えた。

 サレヒ氏は、核兵器開発疑惑をめぐり対立していた米国などとの合意への転機を「2011年ごろから武力を背景にした押さえ込みから対話へと変わった」と指摘。「偏見を持たれていたが、徐々に信頼を築き、権利が尊重されていった」と述べた。

 また、中東の非大量破壊兵器地帯化構想に賛同を示し、「進んでいないことが地域の脅威になっている」と強調。会場から南米で事例がある核物質の国際的な共同管理について問われると「基本的に賛成」とし、中東でイランを中心に進める道筋もありうるとした。

 最終日の5日は全体討議で議論を締めくくり、核兵器廃絶に向けた「長崎宣言」を発表する。(水川恭輔)

(2015年11月5日朝刊掲載)

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