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日本の採決棄権 広島市長が不満 核禁止の決議案

 国連総会第1委員会(軍縮)で、核兵器禁止の法的枠組みづくりへの努力を呼び掛けるオーストリアなどの決議案の採決を日本政府が棄権したことに対し、広島市の松井一実市長は5日の記者会見で「もう少し積極的な対応をしてもいい」と不満を表明した。

 世界の指導者らに被爆地訪問を促した日本主導の核廃絶決議案を反対、棄権した核兵器保有国の動向については「核兵器の非人道性や法的枠組みの必要性の認識が高まり、警戒心を持ったとみられる」と分析。その上で「保有国を議論に引っ張っていく必要性がある。日本政府には今以上に法的枠組みの議論を加速させるような対応を強くお願いしたい」と強調した。

 法規制を含む核兵器廃絶の「効果的な措置」を検討する作業部会設置へ主導力を発揮するよう注文も付けた。

 オーストリアなどの決議案は保有国のうち米国、英国、フランス、ロシアが反対し、中国が棄権。日本政府は棄権の理由について、核保有国と非保有国が協力して核軍縮を進めるべきだとする立場と「整合性が取りにくかった」としている。

(2015年11月6日朝刊掲載)

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