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人材育成チーム新設 中電 虚偽記録問題で方針

 中国電力島根原発(松江市)の低レベル放射性廃棄物の処理をめぐる虚偽記録問題を受け、中電が今月中にも新たな人材育成の取り組みを始める方針であることが5日、分かった。近く専門チームを設置。社員に地域からの信頼の重要性を徹底させる狙いだ。

 専門チームは、原子力部門や人事担当の社員たちで構成する予定。部署間の人材交流を通じて、地域からの信頼の大切さを学ぶプランなどを検討する。まずは原子力部門から始め、島根原発にも担当者を置く。導入状況を見て全社に広げる予定にしている。

 虚偽記録問題では、30代の社員が古い記録をコピーして、虚偽の監査書類を作っていた。中電は社員に不正をしてはならない意識が不十分と分析。島根原発では若手社員が増えており、若手中心に意識改革を図る必要があると判断した。

 中電は2010年の点検不備問題を受けて「原子力強化プロジェクト」を設け原発担当社員の安全意識を高めてきた。プロジェクトは続けながら新たな人材育成の取り組みも進める。

 虚偽記録問題は6月に発覚し、地域住民や自治体から不審を招いた。この問題の影響で1号機の廃止措置計画は地元自治体の事前了解を得られず、申請時期が遅れる影響が出ている。

 9月にまとめた再発防止策では、システム面の改良と組織のチェック体制の強化を盛り込んだ。組織の見直しとともに、社員教育もさらに強化する。(河野揚)

(2015年11月6日朝刊掲載)

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