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手作りのつえ 被爆者に 群馬の本多さん 広島市に70本贈る

 被爆70年に合わせ、高齢の被爆者に使ってもらおうと、群馬県藤岡市の本多一助さん(75)が手作りのつえ70本を広島市へ贈った。17歳の時に両脚を失った本多さんは「年を取っても歩ける喜びを感じて」と願う。

 つえはアカザ製で長さ70~90センチ。約4カ月かけて1人で作ったという。この5日に、広島市健康福祉企画課へ自ら届けた。市を通じて、希望する高齢者施設に配られる。

 本多さんは1957年に勤務先で事故に遭い、車いす暮らしに。「自分の代わりに歩ける人を支えたい」と71年につえ作りを始め、地元の福祉施設に届けるようになった。92年から、日航ジャンボ機墜落現場となった「御巣鷹の尾根」(群馬県上野村)の慰霊登山者のために、毎年100本を村へ贈っている。

 被爆50年には広島、長崎両市へ各50本を寄贈した。今回も長崎市へ70本を届ける。「高齢になり、足の悪い被爆者も多いはず。今後もサポートしたい」と話している。(和多正憲)

(2015年11月7日セレクト掲載)

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