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周防さん「回り道」人生語る 広島本大賞受賞 母校岩国高で講演

 広島で被爆した父をモデルにした小説「八月の青い蝶」で、ことしの広島本大賞を受賞した作家周防柳さん(50)=東京都=が、母校の岩国高(岩国市川西)で講演した。生徒や保護者たち約900人を前に「夢はゆっくり見たらいいじゃないか」をテーマに語った。

 周防さんは小学4年から同市で暮らし、早稲田大に進学。卒業後、会社員やフリーライターなどを転々とし「何をしたらいいか分からないもやもやがあった」と振り返った。

 40歳を過ぎ、父の白血病発症を機に書き始めた同作で2013年の小説すばる新人賞を受賞。「回り道だったが、やっと本気でぶつかっていける仕事を見つけた」と話した。

 講演後は生徒との座談会にも出席した。2年鬼武真央さん(17)は「将来の夢が決まらず不安を感じていたが、悩んでも大丈夫なんだという希望を持てた」と目を輝かせていた。(友岡真彦)

(2015年11月8日朝刊掲載)

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