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被爆樹木 残したい 広島市中区でアオギリなど観察

 樹木医の案内で被爆樹木を巡る催しが7日、広島市中区であった。市民約30人が参加し、原爆の惨禍を伝える「無言の証人」に触れた。

 樹木医の堀口力さん(70)=西区=の案内で、平和記念公園から約2時間かけ寺社など8カ所を散策。被爆で幹から折れた後に芽吹いたクロガネモチなどを見学した。

 原爆資料館北側では、爆心地から約1・3キロで被爆し移植されたアオギリを観察。堀口さんは「被爆樹木には移植された木も含む。この苗木を植樹した2世は全国に広がっている」と紹介した。

 12歳で被爆した西区の加藤允信(まさのぶ)さん(82)は「年々老いる被爆者と違い、被爆樹木は100年先も原爆の証言者になれる。大切に残したい」と話していた。

 中国四国博報堂と中国新聞社の共同企画「緑の伝言プロジェクト」の一環で、今回で10回目となる。(和多正憲)

(2015年11月8日朝刊掲載)

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