×

ニュース

広島復興の歩み知って 広島県・市が小冊子 研修などで活用

 広島県と広島市は、被爆地広島の復興の道のりをまとめた小冊子「広島の復興の歩み」を作成した。都市計画や産業経済、医療、報道など多分野の研究結果を盛り込んでいる。平和都市構築のプロセスを伝える教材として国連訓練調査研究所(ユニタール)の研修などで活用してもらう。

 A5判カラーの58ページ。平和記念公園(中区)の建設をめぐる動きや、軍事施設の民間転換などによる製造業の再建、被爆の惨禍をメディアがどう伝えたかなどを紹介。立ち退きをめぐる住民の反発など復興過程の課題や、被爆体験の継承への取り組みなども質問形式で掲載している。

 県と市でつくる実行委員会が2012~13年度の研究成果として取りまとめた報告書「広島の復興経験を生かすために~廃墟(はいきょ)からの再生」をベースに教材化し、2200部を印刷した。1600部の英訳版と合わせた作成費は約280万円。県内の大学のほか、ユニタール広島事務所などに配り、海外から受け入れた官僚や若者の研修に使ってもらう。県は本年度、平和関係のNPO法人やボランティアの研修会でも活用している。

 報告書の英訳版もこのほど完成。小冊子と報告書は県ホームページからダウンロードできる。県平和推進プロジェクト・チームは「被爆70年の節目に、広島の復興について多くの人に学んでほしい」としている。(松本恭治)

(2015年11月11日朝刊掲載)

年別アーカイブ