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島根県外避難先を住民視察 島根原発30キロ圏内 出雲の鳶巣地区 広島県府中町へ

 中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)の事故に備え、県の広域避難計画で県外が避難先に指定されている原発30キロ圏の県内4市が、住民による避難ルートや避難先の視察を進めている。10日、広島県内を避難先とする出雲市が本年度の視察を開始。26日までに計6地区で実施する。(秋吉正哉)

 この日、原発の南西約25キロにある鳶巣(とびす)地区の住民約20人が、「鳶巣コミュニティセンター」に集合。バスで約3時間かけ、避難先となる広島県府中町本町、くすのきプラザに移動し、町の概要などの説明を受けた。

 参加した鳶巣自治協会の福島隆会長(65)は「住民が避難先の様子を実際に確認できるため、視察の意味は大きい」と話した。

 同市は30キロ圏にある31地区(約12万人)のうち、20地区(約8万5千人)が広島県の12市町に避難する。住民視察はまず2014年度、8地区で実施。本年度は6地区で、残る6地区は来年度以降に開催したい考え。

 他の30キロ圏の県内自治体では、いずれも13、14年度、安来市が岡山県内に避難する全19地区で、15地区が県外に避難する松江市は広島、岡山県に避難する9地区でそれぞれ視察を済ませた。15地区が広島県内に避難する雲南市も16年度以降の実施を検討している。

(2015年11月11日朝刊掲載)

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