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小学校建設 アフガン支援 福山の家具店など じゅうたん販売が縁

 福山市胡町の家具店「亀川」が、岡山、香川、兵庫県の家具店3店と協力し、内戦が続くアフガニスタンの首都カブールの小学校建設を支援している。イラン遊牧民族の手織りじゅうたん「ギャッベ」の3年間の売り上げの一部計1300万円を、建設主体のシャンティ国際ボランティア会(SVA)に寄付した。小学校は来月完成する見通し。SVAのアフガン事務所長たちが11日、亀川を訪れて感謝を伝えた。

 亀川は約30年前からギャッベを販売。6年前から、亀川泰嗣社長(66)がイランに直接出向いて仕入れている。イランではアフガン難民が多く暮らしている。亀川社長は、難民がギャッベ作りに携わっていることを知り、アフガン支援を決意。2011、12年度はギャッベの売上金の一部で、SVAを通じ、アフガンの学校や図書館に絵本や紙芝居を贈った。

 13年度からは、ギャッベの仕入れなどで付き合いがある県外3店に呼び掛け、SVAによるカブールの小学校建設を支援。4店が、15年度までの売り上げの一部を出し合い、建設や備品購入など費用約2800万円のうち、1300万円を負担した。

 SVAは現地の許可を得てことし4月に着工。平屋の校舎1棟がほぼ完成し、12月末に式典を予定している。教室8室、図書室などを備える。1日3部制で運用され、計約1200人の子どもが利用するという。

 亀川をアフガン事務所の三宅隆史所長(53)とワヒド・ザマニ所長代理(39)が訪れ、カブールの教育局長から贈られた感謝状を亀川社長と妻の幸子さん(61)に渡した。三宅所長は「支援は大変ありがたい。混乱が続くアフガンへの関心が日本でもっと高まれば」。亀川社長は「趣旨に賛同してギャッベを購入してくれた人に感謝したい」と話した。

 SVAによると、アフガンでは内戦などの影響で校舎がない学校が約7千校あり、全体の約半数を占めるという。(安部慶彦)

(2015年11月12日朝刊掲載)

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