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被爆医師 詩の魂託す 故御庄さん 安田女子大に原稿・書籍寄贈 図書館で一部を公開

 被爆医師として国内外の核被害者支援に尽くし、1月に89歳で亡くなった詩人御庄博実(本名丸屋博)さん。肉筆原稿や書籍など多数の資料が広島市安佐南区の安田女子大に寄贈され、11日、同大図書館で一部公開が始まった。

 図書館2階に専用コーナーを設け、詩人、医師としての歩みを紹介。ガラスケース内に、御庄さんが戦後間もなくから発行に携わった同人誌や詩集、書籍、直筆原稿など約70点を、時代に沿って展示している。

 親交のあった峠三吉の直筆メッセージが記された1951年の「原爆詩集」初版や、御庄さんの詩集の表紙絵を画家の故四国五郎さんが手掛けた原画も。医師として東京にいた60年の日記には、日米安保条約改定に反対するデモで亡くなった東大生の樺美智子さんの死因をめぐる記述もある。

 寄贈は昨年11月。同大近くに暮らしていた御庄さんから申し出があり、段ボール約100箱分を託された。同大は「整理に時間を要し、現在公開できるのはほんの一部だが、戦後の文学者の交友や平和への思いを伝える貴重な記録をぜひ見てほしい」としている。公開は12月28日まで。月―金曜日の午前9時から午後6時まで。(森田裕美)

(2015年11月12日朝刊掲載)

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