×

ニュース

故沼田さん思い作った曲 「アオギリ」井口小で録音 歌手 中村さん

 シンガー・ソングライター中村里美さん(47)=東京都=が24日、広島市西区の井口小を訪れ、被爆アオギリの下で体験証言を続けた故沼田鈴子さんとの交流から生まれた曲「アオギリにたくして」を児童の合唱で録音した。CD化し、売り上げを全額、東日本大震災の復興へ寄付する。

 中村さんは6月、沼田さんから「福島第1原発事故に胸を痛めている」と聞き、2年前に発表した曲のCD制作を企画した。平和学習に招かれた縁で井口小に協力を依頼し、打ち合わせを予定した7月12日、沼田さんは亡くなった。

 収録は音楽室であり、合唱団の5、6年生29人が「被爆したアオギリの小さな芽は 生きていく力を私にくれた」の歌詞に伸びやかな声を重ねた。

 5年山口維愛(ゆめ)さん(11)は「この曲を歌うと頑張る力が湧く」と笑顔。中村さんは「天国の沼田さんも喜んでいるはず。歌声で被災地と広島を結びたい」と話した。CDは12月25日、500円で発売予定。企画・編集会社ミューズの里Tel042(734)3751。(金崎由美)

(2011年11月25日朝刊掲載)

年別アーカイブ