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核兵器解体目標は堅持 平和首長会議 禁止条約の目標年削除

 平和首長会議(会長・松井一実広島市長)は12、13の両日、ベルギー・イーペル市で理事会を開き、2020年までの核兵器廃絶を掲げる行動指針「2020ビジョン」から核兵器禁止条約を締結する目標年「2015年」を削除した。保有国の反発から交渉入りが見通せないため。20年までに全核兵器を解体する目標は堅持し、実現への努力を誓う決議文を採択した。

 事務局の広島平和文化センターによると、11役員都市の首長たちが出席。核兵器禁止条約締結の目標年の削除とともに、為政者への被爆地訪問の呼び掛けや、市民を巻き込んだ署名活動の強化など交渉開始を促す具体策を決めた。法規制を含む核軍縮策を検討する作業部会の開催決議案が国連総会第1委員会で採択されたのを念頭に、各国へ議論の加速も働き掛ける。

 一方、平和首長会議の基盤強化へ、20年までに1万都市加盟を目指す要請活動の強化や事務局でのインターン実施にも重点的に取り組むことにした。決議文は、核兵器廃絶に向けた「強い決意」を表明。全ての国が作業部会に参加するよう促す姿勢を強調している。近く、国連や各国政府に送るという。(田中美千子)

(2015年11月14日朝刊掲載)

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