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折り鶴 旧日銀支店 展示中止を 広島市有識者委 中間まとめ了承

 原爆の子の像(広島市中区)に届く大量の折り鶴の活用策を検討する市の有識者委員会(北川建次委員長)は25日、中区の原爆資料館で会合を開き、旧日本銀行広島支店(中区)での折り鶴展示の中止を盛り込んだ報告書の中間取りまとめを了承した。

 市は秋葉忠利前市長の意向で2002年度から、折り鶴を焼却せずに市の空き施設などで保管。一部を旧日銀で公開している。現在は09年度に届いた約1230万羽、10・5トン分を展示する。

 中間取りまとめは、折り鶴を寄せた市民・団体へのアンケート結果を踏まえ「折り鶴をささげた段階でその思いは完結している」と指摘。像に隣接するブースに1~2カ月間掲げた後、展示せずに折った人の思いを「昇華」させる作業に回すべきだとした。

 市が9月に実施したアンケートでは回答を得た196個人・団体のうち折り鶴の再生、焼却に「抵抗感あり」は2人だけだった。

 活用策では再生紙、たきあげなどの案を例示。一方で特定の案に固定せず、平和への思いの発信、地域活性化、市民参加に資する取り組みであるかを総合的に判断することが望ましい、とした。

 委員会は本年度内に報告書を完成させ、松井一実市長に提出する。(金崎由美)

(2011年11月26日朝刊掲載)

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