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2年7ヵ月ぶり弁論 島根原発訴訟 原告「地震による災害懸念」

 中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)1、2号機の耐震安全性をめぐり、住民91人が運転差し止めを求めた訴訟の控訴審第9回口頭弁論が16日、広島高裁松江支部であった。弁論は2年7カ月ぶり。

 原告側は意見陳述で、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を認めないとした福井地裁判決や、低レベル放射性廃棄物の処理をめぐる中電の虚偽記録問題など前回弁論以降の変化を指摘。「巨大地震による原子力災害への懸念が高まっている。福島第1原発事故を繰り返さないで」と訴えた。

 中電側は、原子力規制委員会が10月末に現地調査した島根原発南の宍道断層に関して「重要な争点。評価が固まり次第、書面で提出する」とした。

 弁論は、原発周辺の活断層の再調査開始に伴って中断。両者は訴訟の方向性を話し合う進行協議を重ねてきた。次回は来年3月に進行協議を開き、広域避難計画や放射性廃棄物などについて意見を交換する。

(2015年11月17日朝刊掲載)

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