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特定失踪者支援 5県で連携 岩国で29日 県境越え集会 全国初

 北朝鮮による拉致の可能性が排除できない特定失踪者について考える「特定失踪者中国地区大会in岩国集会」が29日午後0時半~3時半、岩国市今津町の市役所である。5県の支援者たちでつくる実行委員会の主催。家族や支援者が県境を越えて連携し、開催する集会は全国初という。

 特定失踪者問題調査会や警察庁によると、北朝鮮による拉致の可能性が排除できない特定失踪者は5県で35人。集会には大竹市や山口市などから失踪者9人の家族が参加し、行方が分からなくなった際の状況や、無事を祈り早期救出を願う思いを語る。調査会の荒木和博代表の講演や、元北朝鮮工作員の証言もある。

 集会で登壇する大竹市の花田豊さん(81)の長男昭博さんは高校3年生だった1984年9月、釣りに出掛けると家を出て行方不明となった。柳井市と山口県周防大島町を結ぶ大島大橋で自転車と釣り道具が見つかった。花田さんは「手探りの状態だが、一日も早く息子の姿が見たい」と話す。

 実行委の石原倫理(ともただ)委員長は「失踪者の中に拉致された方がいるのは事実。政府や国民にもっと関心を持ってほしい」と訴える。(野田華奈子)

(2015年11月20日朝刊掲載)

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