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虚偽記録「住民説明会を」 松江で原発安全対策協 中電の姿勢 批判相次ぐ

 島根県は19日、中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)での低レベル放射性廃棄物の処理をめぐる虚偽記録問題の発生を受け、官民でつくる県原発周辺環境安全対策協議会(安対協、会長・溝口善兵衛知事)を同市内で開いた。委員からは中電の姿勢に批判が相次ぎ、住民説明会の開催を求める意見も出た。(川井直哉、秋吉正哉)

 県安対協の開催は、2号機の再稼働手続きについて協議した2013年12月以来。原発30キロ圏内の松江、出雲、雲南、安来市の4市の市長ら委員68人のうち42人が参加した。

 中電の担当者が、国や県に9月に提出した虚偽記録問題の報告書や再発防止策について説明。委員からは「社員1人だけでなく、会社全体の問題」「社会的責任をどう取るのか」などと厳しい指摘が出た。

 6月末に問題が発覚して以降、開かれていない住民説明会についても「10年の点検不備問題では、松江市内数カ所で説明会を開いた。今回はなぜないのか」などの質問も出た。

 中電島根原子力本部の古林行雄本部長は「再発防止策を厳格に徹底し、今後ともさまざまな場を活用して説明していきたい」と述べるにとどまった。  終了後、溝口知事は「中電もいろいろな形で住民説明会を開くことは可能。当然、説明すると思う」と語った。

 安対協に先立ち、県は学識者でつくる県原子力安全顧問会議(17人)を市内で開いた。出席した9人の顧問からは、全体のチェック態勢見直しの必要性や、再発防止策について「市民の心配を取り除くために、見えるような改善策を示す必要がある」などの意見が出た。

(2015年11月20日朝刊掲載)

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