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パリ同時テロ犠牲者へ祈る広島 国際映画祭の開幕式で黙とう

 広島国際映画祭が20日、広島市中区で開幕した。今回からフランスの映画関連団体との連携をスタートし、同国の関係者も多く参加。開幕式では冒頭、出席者200人がパリ同時多発テロの犠牲者に黙とうをささげ、被爆地から平和の誓いを新たにした。

 今回は、パリの映画博物館「シネマテーク・フランセーズ」などと連携し、上映88作品中40本以上がフランス映画。同国から14人を招待した。NTTクレドホールでの開幕式では、フランス政府の文化機関「アンスティチュ・フランセ九州」のフランシーヌ・メウール館長が「悲劇的な事件が起きた今、これまで以上に恐れや分裂、憎しみを拒み、生きることや文化、分かち合い、敬意を学ぶ必要がある」とあいさつ。映画など文化の力で、残忍な行為に対峙(たいじ)する大切さを強調した。

 松井一実市長は「広島とこの映画祭が、より尊い平和を求める懸け橋になれば」と述べた。映画祭の部谷京子代表が開会宣言し、短編コンペティションで審査員長を務める吉田喜重監督ら6人が鏡開き。被爆ピアノの伴奏で無声映画の上映もあった。

 開幕に先立ち、国内外のゲスト約20人は平和記念公園の慰霊碑に献花した。

 映画祭は、NTTクレドホールを中心に同市内4会場で23日まで開催。21日に吉田監督の作品上映やトークがあるほか、ポルトガルの気鋭ミゲル・ゴメス監督が「アラビアン・ナイト」の日本初公開に合わせて連日登壇する。最終日の23日には俳優永瀬正敏さんや染谷将太さんらのトークやコンペの表彰式がある。(余村泰樹)

(2015年11月21日朝刊掲載)

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