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特定失踪者支援訴え 岩国で中国大会 家族「力を貸して」

 北朝鮮による拉致の可能性が排除できない特定失踪者について考える「特定失踪者中国地区大会in岩国集会」が29日、岩国市役所多目的ホールであった。中国地方5県の支援者たちでつくる実行委員会が主催した。

 5県の特定失踪者のうち9人の家族たちが登壇した。大竹市の花田豊さん(81)は、1984年に高校3年だった長男昭博さんが釣りに出掛けると家を出て行方不明になった。当時を振り返り、「息子がいなくなるほどつらいことはない。何の手掛かりもない。皆さんの力を貸してほしい」と訴えた。

 特定失踪者問題調査会(東京)の荒木和博代表は、昨年5月のスウェーデンのストックホルムでの日朝合意に触れ、「1年半、何も起きていない。政府は仕切り直さなければならない」と強調した。

 集会に先立ち、5県の家族有志は、「しおかぜ家族の会」を発足させた。県境を越えた特定失踪者の家族組織は全国初という。会は今後、解決に向けた情報交換や政府への要望などを行う。(増田咲子)

(2015年11月30日朝刊掲載)

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