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特攻隊員の苦悩 刻む朗読劇 福山海軍航空隊テーマ 中高大生 13日上演

 太平洋戦争中、福山市に置かれていた福山海軍航空隊をテーマにした創作朗読劇が来月13日、上演される。市内の中高生と大学生9人が出演。「特攻作戦にも加わった航空隊が地元にあった歴史をしっかり伝えたい」と練習を重ねている。(福田彩乃)

 9人は、市人権平和資料館が5月から開いている連続講座「ふくやまピース・ラボ」を受講。戦後70年をキーワードに福山空襲など地域の歴史や平和について学んでいる。

 講座の一環で、福山海軍航空隊や特攻に参加し生還した隊員の体験記録を学ぶなどし、「埋もれがちな古里の戦争史を継承していきたい」と朗読劇の上演を決めた。

 学生たちは、特攻作戦に加わった隊員が家族に宛てた手紙などをベースに、見送る家族や友人の気持ちを想像しながら原稿を執筆。田中淳雄副館長がまとめて台本に仕上げた。

 「月の空~知られざる福山海軍航空隊」で、特攻を命じられた25歳の隊員を主人公に、出撃前夜の家族とのやりとりや隊員の心情を描いている。

 29日には、出演者全員が資料館に集まってリハーサル。主人公の隊員を演じる福山工業高1年の遠藤雅也さん(16)=同市松永町=は「最近はテロが続発し、世界情勢が不安定な時だからこそ、戦争の悲惨さと平和の大切さを訴えたい」と意気込んでいた。

 朗読劇は、同市佐波町の市人権交流センターで13日にあるふくやま人権・平和フェスタの会場で、午前11時半ごろから上演される。

(2015年11月30日朝刊掲載)

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