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原爆ドーム 健全度点検 震度6相当 本格耐震調査

 広島市は14日、世界遺産の原爆ドーム(中区)の劣化状況などを把握する健全度調査を開始した。近くコンピューター解析による本格的な耐震調査も初めて実施。ドームを地震から守る保存工事に向けた参考資料とする。

 この日は測量業者が作業用資材をドーム東側の敷地に搬入。足場を組み立てたり被爆時に崩落したれんがが散乱するドーム内に敷板を置いたりする作業を始めた。

 健全度調査は1989年度に保存工事をして以降、原則3年ごとに実施。壁面のひび割れや鋼材の腐食確認、建物の沈下や傾きの測量を行い、補修が必要かどうか判断する。

 耐震調査は2008年度から実施している。今回の調査はこれまで得られた構造や地盤などのデータを、コンピューターでシミュレーション。震度6弱に耐えられるかを調べ、揺れに弱い箇所を割り出す。

 ドームは1月下旬から3月中旬の間、網状の落下防止用シートで覆われる。市公園整備課は「遠方から訪れる人に申し訳ないが、ドームを後世に残すため必要な調査。ご理解を」としている。(金崎由美)

(2011年12月15日朝刊掲載)

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