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防衛相に安全対策訴え 艦載機移転で岩国市長 地域振興策の充実も

 2日、山口県岩国市を訪れた中谷元・防衛相は、2017年ごろまでに予定される米海軍厚木基地(神奈川県)から米海兵隊岩国基地への米空母艦載機移転について福田良彦市長に協力を求めた。福田市長は、受け入れの判断材料となる安心安全対策と地域振興策の充実をあらためて訴えた。

 中谷防衛相は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)から岩国基地へのKC130空中給油機移転など沖縄の負担軽減への協力に感謝を示し、艦載機移転への理解と協力を呼び掛けた。

 福田市長は「普天間飛行場の移設の見通しが立たないうちに艦載機移転だけを進めることは認められない」と従来のスタンスを強調。普天間飛行場の全面返還に向けた努力と、国と協議を続ける43項目の安心安全対策などへの対応を求めた。中谷防衛相は「しっかり実現できるよう取り組む」と答えた。

 同席した市議会の桑原敏幸議長は艦載機の騒音への懸念を示し、試験飛行を要望。中谷防衛相は「事前に徹底したい」と応じた。艦載機の恒常的な離着陸訓練(FCLP)施設の建設地は、岩国以外を検討中とした。

 この日、市役所前では艦載機移転に反対する市民団体が抗議活動をした。(野田華奈子)

(2015年12月3日朝刊掲載)

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