ニュース

　広島交響楽団は、今夏、広島と東京で協演した世界的ピアニストのマルタ・アルゲリッチ＝写真＝に、「平和音楽大使」の称号を贈る。世界平和のために音楽活動をするという両者の理念が一致。近く任命書を渡す。

　広響とアルゲリッチはことし８月、広島と東京で開いた「平和の夕べ」コンサートで初協演し、ベートーベンのピアノ協奏曲第１番で計３８００人の聴衆を魅了した。

　「音楽には人への愛を育み、傷つける心をなえさせる力が宿っている」と信じ、「Ｍｕｓｉｃ　ａｇａｉｎｓｔ　Ｃｒｉｍｅ」をコンセプトに活動するアルゲリッチ。広響のキャッチフレーズ「Ｍｕｓｉｃ　ｆｏｒ　Ｐｅａｃｅ～音楽で平和を」に共感を寄せる。

　コンサート終了後、広響事務局がアルゲリッチに今後の連携を打診。平和音楽大使の称号を受けることを快諾した。来年から定期演奏会パンフレットなどに名前を掲載する。広響事務局は「音楽で平和を発信するというわれわれの思いを、世界に向けて発信していく力強い後押しになる」と喜んでいる。（余村泰樹）

（２０１５年１２月３日朝刊掲載）