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ホロコースト「教訓に」 広島大3年の松川さん 欧州ツアーの成果報告

 ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)を学ぶ欧州スタディーツアー(主催・公益財団法人ヒロシマ平和創造基金)に参加した広島大3年の松川純さん(21)が、東広島市の同大で、ツアーについて報告した。

 世界の社会問題について英語で話し合うゼミで、受講生15人にスライドを使い約20分間、英語で話した。

 「絶滅収容所」になったアウシュビッツ強制収容所跡(ポーランド)。虐殺の現場になったガス室跡や遺品の数々の写真を見せた。積み重なった空き缶の写真については、「何だと思いますか」と受講生に質問。「毒ガスの薬品が入っていた」と説明を加え、無機質に見える展示品も一つ一つが恐ろしい過去を持つことを強調した。名前を奪われ番号を腕に入れ墨された生還者の証言も紹介した。

 アンネ・フランクの隠れ家(オランダ)では、連行されるまで少女が2年間過ごした日々に思いをはせた。松川さんは「過去だけでなく、今も内戦などで人は殺され続けている。ホロコーストの教訓を生かすべきだ」と訴えた。

 3年の小林美月さん(21)は「同年代の発表を聞いて身近に感じられた。戦争を起こさないために自分で何ができるか考えたい」と聞き入っていた。

 3月に実施したツアーには、松川さんを含む広島県内の大学生6人と、中国新聞ジュニアライターの高校生2人が参加。ナチス・ドイツによるユダヤ人ら約600万人虐殺の歴史を学んだ。(山本祐司)

(2015年12月7日朝刊掲載)

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