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耐震補強工事 14日に着手 原爆ドーム 広島市「外観へ配慮の工法」

 広島市は14日、世界遺産の原爆ドーム(中区)で初めてとなる耐震補強工事に着手する。来年1月5日から3月下旬まで、一部を足場やシートで覆う。

 対象は、芸予地震で想定される最大震度6弱で崩壊の危険性がある、北側2カ所と南側1カ所の壁。内側から鋼材(1・6~7・4メートル)を当てて補強する。

 敷地を囲む柵の撤去などをした上で足場を組み、落下防止用シートを張った後、本格化する。事業費は約2883万円。国の補助金に加え、市のドーム保存向けの基金から充てる。

 市は2013年度にドームの壁から試料をくり抜き耐震性を調査。結果を踏まえ、15年5月、有識者による原爆ドーム保存技術指導委員会で工法を決めた。業者は、指名競争入札を経て、11月に清水建設(東京都中央区)と契約した。

 市公園整備課は「外観への影響が少ない工法を採用した。迷惑を掛けるが、必要な工事なので理解いただきたい」としている。

 昨年12月から4月初めまでは、原則3年に1度の健全度調査のため周囲に足場を組んだ。(和多正憲)

(2015年12月9日朝刊掲載)

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