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井伏と家族古里での姿 福山の文学研究会 会誌に未公開写真

 作家井伏鱒二(1898~1993年)が出身地の福山市で家族と過ごす様子や、阿伏兎観音(同市沼隈町)を訪れた際などの未公開の写真が、井伏鱒二文学研究会(同市)の会誌に掲載された。井伏の定宿だった同市の旅館の元当主で同会代表の小林忠司さん(76)が、自身が撮影し、保管していた写真を載せた。(安部慶彦)

 小林さんが載せた写真22枚のうち16枚が初公開という。JR福山駅のそばにあった旅館の前や福山駅、阿伏兎観音で家族や友人とくつろぐ井伏の姿などを捉えている。ふくやま文学館(同市)は「家族との写真は珍しい」としている。

 同会は1995年に発足。一時休止後、2010年に活動を再開した。会誌には会員たち14人が寄稿している。井伏が執筆時に訪れた場所などに関する文もある。

 小林さんは「写真からは、優しい父親でもあった井伏の人柄が伝わる。古里での創作の足跡をたどってほしい」と話す。A5判、80ページ。700円。研究会事務局Tel084(976)1725。

(2015年12月10日朝刊掲載)

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