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映像で継ぐ呉空襲体験 紙芝居「ふうちゃんのそら」 モデルに取材 昭和高、全国文化祭出品へ

 広島県呉市の昭和高(焼山町)放送文芸部の部員が、呉空襲に遭った女性の体験を取材、映像にまとめた。来年、県内である全国高校総合文化祭(2016ひろしま総文)に出品する。(小笠原芳)

 市中心部を標的にした1945年7月1日の爆撃を経験した、当時7歳だった中峠房江さん(78)=焼山泉ケ丘=を訪ねた。中峠さんの体験をたどる紙芝居「ふうちゃんのそら」をテーマに据え、話を聞いた。紙芝居作者で絵本作家のよこみちけいこさん(43)、制作に携わった関家ひろみさん(52)=ともに呉市=にも取材した。

 映像はいずれも2年の須賀幸恵さん(16)、住田瑞妃さん(17)、畠大気さん(17)が手掛けた。4分56秒の作品でタイトルは「ふうちゃんのそらは青空」。中峠さんの「空襲を思い出すから花火が怖い」という話を入れ、体験継承を願う中峠さんが小学生に紙芝居を見せるシーンも収録した。

 生徒3人は7月、呉空襲に遭った女性が地元にいると知り取材を始めた。11月14日に作品が完成。同月あった県高校総合文化祭の放送文化部門ビデオメッセージ部門で4位に入賞し、来年8月に広島市中区である総文への出品も決まった。

 中峠さんは「呉空襲を記録に残してくれたことがうれしい。高校生に希望を託したい」と感激している。須賀さんは「手直しして、平和へのメッセージが伝わるよう完成度を上げたい」と意気込んでいる。

(2015年12月11日朝刊掲載)

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