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原爆投下命令の地ポツダムに追悼の記念塔 広島で募金活動

■記者 森田裕美

 原爆犠牲者を悼む記念塔をドイツ・ベルリン郊外、ポツダムに設置しようという現地の取り組みに賛同し、広島市中区の佐々木愛子さん(73)がポツダム市民の募金活動への協力を呼び掛けている。

 構想では、塔は1945年のポツダム会談の際、当時のトルーマン米大統領が滞在した邸宅前の広場に設置する。会談期間に広島、長崎への原爆投下命令が下りた史実を知った市民が「悲劇の始まりを記憶にとどめよう」と市議会に要請。2005年、「ヒロシマ広場」と命名された。

 市民たちはその後、広場で被爆者やドレスデン空襲の生存者から証言を聞く集いや原爆展を企画。昨年11月には、2010年の塔設置を目標に「ポツダム・ヒロシマ広場をつくる会」を結成し、募金を始めた。核戦争防止国際医師会議(IPPNW)ドイツ支部やベルリン在住の被爆者も協力している。

 現地に招かれ、被爆体験を証言したのが縁で「広場をつくる会」広島事務局を引き受けた佐々木さんは、「原爆の悲劇を忘れまいとし、平和を願うポツダムの人の気持ちを広島市民にも伝えたい」と話している。

 募金の問い合わせは佐々木さん。メールaisasaki@mvf.biglobe.ne.jpTel082(249)7526。

(2008年9月4日朝刊掲載)

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