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心に届く継承のヒント 20日長崎 原爆資料館でフォーラム 広島2世や沖縄から参加

 被爆や戦争の記憶をどう引き継いでいくか、広島、長崎、沖縄で次世代に伝える活動に取り組む人たちの座談会などを通じて考えるフォーラムが20日、長崎市の原爆資料館で開かれる。今後の継承のあり方を探るため、同市が初めて企画。広島市からは、被爆体験伝承者で被爆2世の山岡美知子さん(64)=南区=が参加する。(谷口裕之)

 座談会は「未来へ…被爆、戦争の体験を語り継ぐということ」がテーマ。山岡さんのほか、長崎市が制度化した「家族証言者」として活動する被爆3世の三根(みね)礼華(あやか)さん(28)たち2人、ひめゆり平和祈念資料館(沖縄県糸満市)説明員の仲田晃子さん(39)が出席する。それぞれの取り組みを報告し、活動を通じた気付きや課題などについて話し合う。

 山岡さんは広島市の被爆体験伝承者1期生。母(90)を含む被爆者の記憶を紹介している。外国人に対しては母の体験を英語で語っている。「直接体験していない分、被爆時の状況を正確に伝えるよう意識している。フォーラムでは、聞く人の心に残る工夫などを学びたい」

 戦後70年を経て、戦争や原爆を直接知る人の高齢化が進み、記憶の継承は大きな課題となっている。長崎市は、次世代への継承の一つの手段として昨年5月、家族証言者を制度化。被爆者の身近に暮らす被爆2世、3世を中心に計13人が登録している。

 今回のフォーラム「語り継ぐ家族の被爆体験(家族証言)」は、より確かな継承につなげるヒントを探るため、広島、沖縄に呼び掛けて企画した。長崎市被爆継承課平和学習係Tel095(844)3913。

(2015年12月15日朝刊掲載)

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