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原爆ドーム隣に「おりづるの壁」 広島マツダ 改修中ビル

 世界遺産の原爆ドーム(広島市中区)の東隣でビルを改修している広島マツダ(同)は15日、ビルの外壁の一部を高さ約50メートルにわたって透明のガラス張りにして、「おりづるの壁」とする計画を明らかにした。展望スペースを訪れた観光客たちに折り鶴を折ってもらい、壁面を埋め尽くす。

 おりづるの壁はビル北側で、内部が幅4メートル、奥行き70センチの細長い箱形になっている。12階の展望スペースに色紙を折る場を設け、折り鶴を直接入れる仕組み。1、2階はモニュメントで、3階部分から折り鶴が積み重なる。約100万羽が入るという。

 ビルは地上14階地下2階。「おりづるタワー」と名付け、来年9月23日のオープンを目指す。新たな観光スポットになりそうだ。

 展望スペースからは平和記念公園や市街地を見渡せる。被爆前や被爆直後の写真を展示し、現在と見比べてもらう。入場料は1200円(小中学生600円)を予定し、年38万人の来場を見込む。1階は広島県産品の店や飲食店を開く。2階は会議室、3~11階は企業に貸す。

 広島マツダはビルを平和学習の拠点にする考え。この日、中区で記者会見した松田哲也会長は「被爆後、広島がどのように立ち直ったのかを伝え、平和の尊さを感じてもらう場にしたい」と述べた。(川上裕)

(2015年12月16日朝刊掲載)

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