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核廃絶機運に「期待」 岸田氏、外相会合へ強調

 岸田文雄外相は9日、東京都内で講演し、来年5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に先立ち、広島市で4月に開かれる外相会合について「核兵器のない世界をつくる機運の盛り上げにつながることを期待している」と強調した。

 外相会合に合わせ、核兵器保有国である米国、英国、フランス3カ国の外相が、原爆慰霊碑のある平和記念公園(中区)を初めて訪問する方向だ。岸田氏は「各国の政治指導者に被爆地を訪問してもらい、核兵器の非人道性、実相に触れてもらいたい」と述べた。

 また、今春の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の決裂に触れ、「核保有国と非保有国の対立が先鋭化する中、両者の仲介役としてのわが国の立場を強調し、汗をかきたい」と話し、引き続き核軍縮・不拡散の取り組みに力を入れるとした。

 一方、サミットの主要議題について、欧州に流入する難民問題や中東情勢、テロ対策が中心になるとの見方を示した上で、中国が海洋進出を強める南シナ海問題も取り上げたい意向を表明。「議論の俎上(そじょう)に載せ、国際社会の理解を得ることで取り組みを促さなければならない」と訴えた。(城戸収)

(2015年12月10日朝刊掲載)

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