×

ニュース

新藤監督作品48本一挙上映 4月に100歳 記念イベント計画 

広島市内の映画館など 「原爆の子」「裸の島」

 広島市佐伯区出身の日本最高齢映画監督新藤兼人さん(99)が4月に100歳を迎える。それを記念し、ほぼ全作品にあたる48本の映画を市内で一括上映し、新藤さんの世界を広く紹介するイベントの開催計画が進んでいる。(編集委員・串信考)

 イベントは「新藤兼人 百年の軌跡」。1951年のデビュー作「愛妻物語」や、代表作「原爆の子」「裸の島」、昨年の「一枚のハガキ」まで、監督した49本のうち48本と、脚本作品、関連ドキュメンタリー映画など計約60本を4~5月に、市内の映画館や、中区の市映像文化ライブラリーなどで上映する。

 広島県興行生活衛生同業組合の蔵本順子理事長を委員長、美術監督の部谷京子さんを副委員長とする実行委員会が今月中旬発足し、準備を本格スタートする。イベントでは、新藤さんの帰郷や記念展示、出演俳優らの記念トークなども予定している。

 新藤さんが所属する近代映画協会(東京)によると、東京都内や広島市内で10本程度を一括上映したことはあるが、ほぼ全作品は初めて。同協会の新藤次郎社長は「地元でこれだけの本数を上映していただけるのはありがたいこと。多くの皆さんに、新藤監督が追い求めてきた世界を知ってほしい」と期待する。

 全監督作品49本のうち38本のフィルムは市映像文化ライブラリーにある。他の作品は、実行委が東京国立近代美術館フィルムセンターや配給会社から借りる予定。公開に難色を示すフィルム所有者がいるため、全作品の上映にはならない見通し。

(2012年1月4日朝刊掲載)

年別アーカイブ