×

ニュース

被爆実態継承 教諭らに期待 「はだしのゲン」作者 中沢さん 広島市役所で講演

 漫画「はだしのゲン」の作者中沢啓治さん(72)=広島市中区=が10日、平和教育への期待をテーマに広島市役所で講演した。市教委が主催し、市立学校教諭や市職員たち約50人が聞き入った。

 中沢さんは6歳の時、爆心地から1・2キロの神崎国民学校(現神崎小)前で被爆した体験を証言。「洗脳された人びとが戦争を推し進め、原爆を呼び込んだ恐ろしい時代があった。その事実を次の世代にしっかり伝えてほしい」と訴えた。

 戦後の貧しい暮らしの中、心の支えとなった小学校の恩師の存在を紹介。「巧みな話術でいろんな話をしてくれたおかげで創作力が付いた。先生は子どもとしっかり交流して」と要望した。

 市教委は、市立小中高校で2013年度から独自の平和教育プログラムを始めるのにあたり講演会を企画した。(田中美千子)

(2012年1月11日朝刊掲載)

年別アーカイブ