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震災がれき 100ベクレル超は受け入れず 広島県方針 「処理基準が不明確」

 東日本大震災で発生した岩手、宮城両県のがれきの受け入れについて、広島県は10日、放射性セシウム濃度が1キロ当たり100ベクレルを超える廃棄物を受け入れない方針を決めた。1日全面施行された放射性物質汚染対処特別措置法は「がれきの安全処理に関する基準が不明確」とし、県独自の基準を設けた。

 特措法は、福島第1原発事故を受けた汚染廃棄物の処理の枠組みを定める。セシウム濃度が1キロ当たり8千ベクレルを超える焼却灰や汚泥などは国が処理すると規定。一方、廃棄物処理法の対象外となる100ベクレルを超える汚染物は、稲わらや堆肥など特定の種類だけ処理基準を示した。

 県は「さまざまな汚染廃棄物が含まれるがれきの処理基準が不透明」と指摘。国が安全性に関する基準を示すまで従来の廃棄物処理法に沿い、「100ベクレルを超える廃棄物を扱わないことが適当」との見解をまとめた。11日、県庁で開く市町の担当課長会議で伝える。

 がれきの広域処理をめぐっては、住民の不安などを理由に多くの自治体が慎重姿勢をみせる。広島県循環型社会課によると10日現在、県内で受け入れている市町はない。県は、がれきを安全に処理するためのきめ細かい基準を定めるよう国に要請する一方、県としての考え方を示す必要があると判断した。(門戸隆彦)

(2012年1月12日朝刊掲載)

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