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連載・特集

2015年広島県内重大ニュース <下> 安心と安全を求めて

■文化

反核反戦訴え美術展

 県立美術館の「戦争と平和展」をはじめ、被爆・戦後70年を意識した美術展が相次いだ。広島市現代美術館は「ヒロシマを見つめる三部作」として3連続の企画を展開。同市では反核反戦の画業に生きた四国五郎の追悼展、泉美術館の写真展「復興の記憶」なども反響を呼んだ。県立歴史博物館は、尾道出身の江戸後期の女性画家平田玉蘊(ぎょくうん)に新たな光を当てた。

 世界的なアーティストの広島訪問も相次いだ。ピアニストのマルタ・アルゲリッチは、広島交響楽団と協演し、平和を発信。ロシアの指揮者ウラディーミル・フェドセーエフやレッド・ツェッペリンのジミー・ペイジは平和記念公園を再訪した。

 広島文学資料保全の会が広島市と共同で、詩人栗原貞子たち被爆作家3人の直筆資料3点を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の記憶遺産に登録するため国内公募に申請。候補入りは逃したが、両者は再申請を目指す。

 同市は、原爆資料館本館の耐震補強工事に伴う発掘調査を始め、来春まで続ける予定。安芸高田市にある4世紀後半の前方後円墳で、同時期では県内最大規模の甲立古墳が国史跡指定への答申を受けた。(道面雅量)

(2015年12月30日朝刊掲載)

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