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岩国の総合雑誌終刊 「21世紀」46年間で120号 文化発展に貢献 会も解散

 岩国市内の文学愛好者たちでつくる「地方文化の会・岩国」が発行を続けてきた総合雑誌「21世紀」が、今月の第120号で終刊となった。岩国の文化発展に貢献してきた同会も解散。創刊から46年の歴史に幕を下ろした。(増田咲子)

 同会は「岩国地方文化人連盟」として1968年に発足。翌年4月、「21世紀まで続けよう」との願いを込めて同誌を世に送り出し、年2~4回発行してきた。

 文学だけでなく、政治や教育、家庭や郷土史など幅広い分野で会員たちから原稿を募集。毎号、「非行」「環境」など時代を映した特集テーマも設定し、市ゆかりの著名人からも寄稿を受けた。

 今月8日発行の最終号はB5判、124ページで、「あれから七十年―戦争について考える」を特集。中心メンバーたちの終刊にあたっての思いも掲載した。

 同会の歴代会長には、童話作家の故元島英三氏、詩人の故杉本春生氏たちが名を連ねる。講演会の開催や明治期の文豪国木田独歩の文学碑建立なども手掛けてきた。

 会の発起人は、中学や高校の国語教諭だった福井泰義さん(79)=同市牛野谷町。雑誌の発行に尽くし、2005年から解散まで会長を務めた。ことし11月、福井さんの目の病気が分かったことがきっかけとなり、終刊と会の解散が決まった。

 福井さんは「無我夢中で取り組んできた。人と人とのつながりでここまで続けることができた」と感謝する。最終号は500円。福井さんTel0827(31)3367。

(2015年12月31日朝刊掲載)

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