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戦時中の体験談 出版 尾道の元小学校校長 西原さん 食糧難や幼なじみの原爆死 記す

 尾道市栗原町の元小学校校長西原通夫さん(82)が、尾道での戦時中の体験をつづった「みちじいさんの話」を出版した。食糧難や、原爆に命を奪われた幼なじみとの思い出などを伝えている。

 「戦時中の学校で」「地域での遊び」の2部構成で、短編を10作ずつ収めている。食べ物や、鉛筆などの文具が不足していた暮らしぶり、近所の3学年上の幼なじみが広島に滞在中に原爆に遭って亡くなったこと、その幼なじみの父親が戦後も広島の方向を見つめていたことなどを書いている。

 西原さんは市内の児童文学研究会に所属し、10年ほど前から戦時中の体験を例会で発表してきた。今回はそれらを1冊にまとめた。「当時の子どもたちの実情を知ってもらいたい」と話す。A5判、189ページ。てらいんく(川崎市)が発行し1400円。尾道市内の書店などで販売している。(村島健輔)

(2016年1月5日朝刊掲載)

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