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金輪島 音楽で盛り上げ 広島市中区の福井さんライブハウス開く 若手に活動の場

 広島市南区の離島、金輪島に福井和久さん(56)=中区=がライブハウスを開き、音楽を通じた島の魅力アップに一役買っている。若手ミュージシャンが手軽にステージに立てる場としても位置づけ、「島を訪れる人が増えてくれれば」と願う。(藤田智、写真も)

 ライブハウス「土龍(もぐら)」は木造平屋の約130平方メートル。出演者には集客ノルマを課さず、飲食メニューも一律500円に設定した。「出演者に負担を掛けたくない」と福井さん。「有名なアーティストが巣立ってくれたらうれしい」と夢を語る。ウッドデッキをステージにした屋外ライブも開く計画だ。

 退職後、離島でゆったりとくつろぐ場所を探していた福井さんが昨年9月に開いた。高校生のころフォークソングを好み、ライブハウスにはコレクションのギター約100本も置いている。ライブのない日はカフェとして、敷地内で栽培する無農薬の桑やレモンを使ったカクテルなどを提供する。

 かつては旧日本陸軍の造船施設が立ち並んだ金輪島。原爆投下の日には負傷者が運ばれ約500人がこの島で命を落としたという。福井さんは「平和関係のイベントにも使ってもらいたい」と言う。

 晴れた日は廿日市市の宮島を望めるという福井さんは「都会の喧噪(けんそう)を離れてくつろげる場所。島と店のファンを増やしていきたい」と話している。営業は原則、土日祝日の正午~午後6時。Tel090(9467)2119。

(2016年1月8日朝刊掲載)

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