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「軍縮の人」に被爆者 米協会 サーローさんら選ぶ

 米シンクタンクの軍備管理協会は7日、軍縮に貢献した個人や団体をたたえる2015年の「アームズ・コントロール・パーソン・オブ・ザ・イヤー」を、広島市南区出身の被爆者サーロー節子さん(84)=カナダ・トロント市=と広島、長崎の被爆者に贈ると発表した。

 協会が9候補を選び、インターネット投票を12月8日から約1カ月実施。サーローさんと被爆者が最多得票した。功績を「自身の体験を伝えるという献身を通じ、核兵器のさらなる使用を防ぎ、その違法化と廃絶へ圧力をかけてきた」と強調している。

 サーローさんは13歳の時、学徒動員されていた二葉の里(現東区)で被爆。留学先の米国で平和活動を始め、カナダへ移住後も精力的に国内外で証言を続けてきた。中国新聞の取材に「全ての被爆者の頑張りが認められた。核兵器の非人道性を訴える仕事は終わっておらず、今後の励みになる」と語った。

 広島県被団協の坪井直理事長(90)も、被爆者の受賞に「人類の命を守れと訴えるのが自分たちの仕事だと信じてきた。思いが伝わっているなら、ありがたい」と喜んだ。

 次点は、イラン核問題の最終合意に向けた交渉に携わった米国のケリー国務長官、イランのザリフ外相ら。14年は、核兵器禁止条約を含む「効果的な措置」を追求するオーストリア外務省のクメント軍縮軍備管理不拡散局長が受賞した。(田中美千子)

(2016年1月9日朝刊掲載)

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