×

ニュース

広島流川教会 歴史継ぐ 来月から建て替え工事

 広島市中区上幟町の広島流川教会が来年2月中旬、建て替わる。原爆で親を失った子どもの支援などに尽くした故谷本清牧師が率いた歴史を継承。新礼拝堂でも、焼け野原に残った木で作った「被爆十字架」を掲げ、平和の祈りを続ける。今月22日には「お別れ記念礼拝」を開催。来月から解体工事に入る。

 新しくなる教会の礼拝堂は、現在約7メートルの天井を倍の高さにし、音響効果を高める。正面に被爆十字架を設置。被爆後のがれきから見つかった「平和の鐘」も、音を鳴らせる状態で移すという。

 同教会は1887年5月、現在の大手町に創設され、移転を数回繰り返した後、上流川町で被爆。当時の建物は倒壊した。1970年12月に現在地に移転した。

 22日の記念礼拝は午前10時半から。現礼拝堂が完成した当時、教会伝道師だった東島勇気・日本基督教団九州教区常置委員が説教する。

 牧師の沖村裕史さん(55)は「新しい礼拝堂をコンサート会場として使ってもらうなど、より開放的で地域に愛される教会にしたい」と話している。(木原由維)

(2012年1月20日朝刊掲載)

年別アーカイブ