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92歳 被爆体験語る 広島市西区の山城さん、児童に 「記憶を次代へ」

 広島市西区の山城栄子さん(92)が14日、同区の鈴が峰小の授業で被爆体験を語った。学校で子どもに語るのは初めて。「記憶が鮮明なうちに次代へ伝えなければ」との決意を胸に、平和の大切さを5年生47人に訴えた。

 21歳だった山城さんは71年前の8月6日、路面電車で現在の中区舟入川口町の職場へ向かう途中に被爆。出火した電車からドアをこじ開けて脱出し、川を泳いで自宅まで帰った経験、学徒動員中に行方不明となり、遺骨も見つかっていない妹=当時(12)=を捜し歩いたことなどを語った。

 被爆から約3カ月後に左目を失明。つらい体験を口にしてこなかったが、原爆投下から70年を迎えた昨夏、地域住民が学ぶ同小の「空き教室大学」で初めて体験を語った。

 体験を聞いた古武家美夢さん(11)は「今ある身の回りの平和を大切にしたい」と話した。(原未緒)

(2016年1月15日朝刊掲載)

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