×

ニュース

広島から米国へ移民たちの戦争 きょう・あす 中区で催し

 広島から米国に渡った移民とその家族の第2次世界大戦中の体験に焦点を当てた催しが16、17の両日、広島市中区袋町の旧日本銀行広島支店である。平和を願う作品を並べ、強制収容所での抑留体験を聞く。アートで交流する東京芸術大と米シカゴ美術館付属大の共同研究の一環で無料。

 東京芸術大大学院のたほりつこ教授(先端芸術表現)と学生が、広島市から譲り受けた折り鶴でインスタレーション作品を展示。収容所に送られた移民・日系人の人数にちなみ、約12万羽をガラスケース(縦60センチ、横150センチ、高さ30センチ)9個に詰め込んだ。その多さと、国家や民族の対立を超えた友好の願いを表したという。

 同じケース内に、シカゴ日系米国人歴史協会会長の日系3世ジーン・ミシマさん(79)提供の、広島から渡米した祖父のパスポートや一家の写真も並ぶ。ミシマさんは両日の午後5~7時、自身の収容所での生活などを証言する。「戦争に勝者はなく、無実の人が苦しむと伝えたい」と話す。開場時間は午前10時~午後7時。(水川恭輔)

(2016年1月16日朝刊掲載)

年別アーカイブ