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沼田さんの遺志 次代に 中区で追悼の集い

 昨年7月に87歳で亡くなった被爆者沼田鈴子さんを追悼する集いが22日、広島市中区の県民文化センターであった=写真。約200人が集まり、平和記念公園の被爆アオギリの下で平和を訴え続けた沼田さんの遺志を継ぐ決意を新たにした。

 沼田さんを知る人たちが登壇し、思い出を語った。安芸区の被爆者、豊永恵三郎さん(75)は「苦しい胸の内をすべてさらした人。だから悩み多き若者に伝わった。後を継ぎ、今後も平和を訴えたい」と述べた。沼田さんを紹介したテレビ番組の上映や、井口小の児童たちによる平和の歌の披露もあった。

 沼田さんは原爆で崩れた建物の下敷きになり左足を切断。惨禍に耐えて芽吹いたアオギリに自らを重ね、平和を訴え続けた。集いは友人たちが企画した。(東海右佐衛門直柄)

(2012年1月23日朝刊掲載)

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