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江田氏後継 野党連携が鍵 参院岡山の民主 共産も擁立 構図流動的

 今夏の参院選岡山選挙区(改選数1)で民主党岡山県連は現職江田五月氏(74)の引退に伴い、新人の会社社長黒石健太郎氏(32)の擁立を決めた。江田氏には父三郎氏の時代から続く地盤があり、一時は党幹部が慰留。だが本人の意向は固く、若返り方針に落ち着いた。同選挙区には共産党も公認候補を発表しており、野党連携の行方が焦点となる。(永山啓一)

 「自民党の1強に歯止めをかける選挙。岡山では野党候補の一本化が不可欠だ」。16日、岡山市北区で会見した党県連の柚木道義代表(比例中国)は共産党や維新の党などとの連携を目指す考えを示した。

 議席の死守を目指す民主党だが、候補選びは難航した。江田氏は高齢を理由に昨年秋から内々に引退の意向を示していた。旧社会党書記長を務めた父三郎氏の時代から約80年にわたる地盤を守るため、民主党幹部は慰留。しかし、江田氏の意思は固く、党県連は11月ごろになって新人の選定を本格化した。ことし7月の任期満了まで半年に迫った段階で、3人の候補の中から黒石氏に絞った。

 選考で問題になったのは野党連携を視野に入れた「他党との距離感」だった。選に漏れた1人は、ホームページに憲法9条の重視を訴える意見を掲載していた。ある党県連幹部は「共産党と組みやすい人物もいたが、無党派層の獲得や自民党支持層の切り崩しを重視した」と解説する。

 共産党は昨年11月、新人で党県書記長の植本完治氏(56)の擁立を発表した。ただ党中央レベルで他の野党と合意できれば、立候補を取り下げる意向も示す。党県委員会の石井ひとみ委員長は「戦争法(安全保障関連法)廃止での一致が条件だ」と話す。

 ただ、民主党県連や支援する連合岡山内には「共産党に頭を下げてまで連携をお願いすることはない」との声が根強く選挙戦の構図は流動的だ。一方、維新の党県総支部は黒石氏を支援する方向で調整している。

 岡山選挙区には自民党新人で元東京都区議の小野田紀美氏(33)と、諸派で幸福実現党新人の党県副代表、田部雄治氏(39)も準備を進めている。

(2016年1月19日朝刊掲載)

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