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広島高師遺構 「被爆前」語る 広島大東千田キャンパス敷地内で出土 仮図書館の建物基礎

 広島大東千田キャンパス(広島市中区)の敷地内で、同大前身校の一つである旧広島高等師範学校の建物の遺構が出土した。1902(明治35)年の創設当初は仮図書館だった木造建物の基礎とみられ、同大総合博物館埋蔵文化財調査部門が実測などを進めている。(林淳一郎)

 近く完成する同大東千田未来創生センター西側。駐輪場などの整備中、「コ」の字状のコンクリート基礎(幅約1メートル)と、その上に4、5段のれんが積みが3カ所で見つかった。旧広島高師敷地の南西隅に当たり、明治期の平面図に記された「仮書庫及閲覧室」の基礎部分とみられる。

 広島高師の記念誌によると、02年に仮図書館を開設。4年後の06年、図書館が新築された。しかし、校舎や付属建物は木造が多く、原爆で倒壊、焼失したという。近くには被爆建物の同大旧理学部1号館が残る。

 出土地点のそばで石垣なども確認された。「文献だけではつかみにくい被爆前の、明治期までさかのぼる建築の技がうかがえる」と石丸恵利子研究員。近く埋め戻し、実測データなどは同大埋蔵文化財調査研究紀要で報告する。

(2016年1月22日朝刊掲載)

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