×

ニュース

セシウム 線量「2年後2/3以下」 島根県センター 福島県内で測定

 島根県原子力環境センター(松江市)は27日、福島県内に沈着している放射性物質セシウム134と同セシウム137の放射線量が、警戒区域(20キロ圏)を除くほぼ全域で「2・2~2・4対1」の比率だったと発表した。福島第1原発事故に伴うモニタリング支援活動で昨年10~11月に現地で調べた。

 セシウム134の半減期は2年、137の半減期は30年と長い。センターは「2年後になれば、全地点の線量が現在の3分の2以下になるとみられる」と指摘している。

 センターの職員は、放射性物質ごとの放射線量を測れるゲルマニウム半導体検出器を車に搭載。走行しながら線量を測定、衛星利用測位システム(GPS)のデータと組み合わせて地図に落とした。

 1カ月弱の間に1万1千カ所以上のデータを収集。文部科学省も全域の土壌調査や航空機を使った測定をしているが、車載検出器で放射性物質ごとに調べたのは県独自の取り組みだった。

 生田美抄夫専門研究員は「走行しながらの測定は、広域を迅速に測定するのに有効なことが確認できた」としている。(金山努)

(2012年1月28日朝刊掲載)

年別アーカイブ